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2017/8/21 更新

【ツール・ド・ラヴニール】第3ステージは平均時速45㎞/hオーバーの高速レース!

最終平均時速47.5kmの高速レースに耐えたU23日本

フランスの自転車首都ブルターニュ地方を走る最後のステージとなるU23版ツール・ド・フランス「ツール・ド・ラヴニール」(未来へのツール)第3ステージ。世界最高のU23選手が集まるレースという事もあり、FDJのマルク・マディオ監督や、UCI公認選手代理人らも会場に訪れ選手を観察。この場で成績を出すことが、そのまま直接来年のプロへの切符獲得に繋がるチャンス。ちょっとやそっとじゃ勝てないレベルだが、夢の舞台に指先が触れる場所で戦う日本選手の士気は非常に高い。

 

■第3ステージ「ミシアック>シャトーブリアン」=139.5km(獲得標高1634m)
自転車首都ブルターニュ地方を走る最後のステージとなるU23版ツール・ド・フランス「ツール・ド・ラヴニール」(未来へのツール)第3ステージ。スタート直後から激しいアタック合戦が続き、スタート後1時間の平均時速は49.6kmにも上るも、アタックが決まったのは50km地点を過ぎてから。2017年欧州選手権王者のカスパー・ペデルセン(デンマーク)や欧州北部の大柄な選手らが中心となる14名が逃げの形成に成功。日本からは山本大喜がそれに加わるべく時速50km超で追いかけるも、逃げ集団の凄まじいスピードに届かず後続集団に戻る。

スタート前に集中するU23日本(photo CyclismeJapon)

前日の落車で負った傷にサポーターを付ける山本大喜、まるでプロレスラー!(photo CyclismeJapon)

スタートラインのU23日本(photo CyclismeJapon)

逃げ集団は直線になると集団からも目視出来る40秒程度のタイム差。メイン集団は時速48km程度の巡航スピードで追いかけているために、誰もがすぐに逃げは捕まるかと思いきや、士気の高い14名の逃げ集団は完璧なローテーションを組み、真正面からメイン集団と対決。あまりもの高速レースに、第2ステージで落車に見舞われたフランク・ボナムール(フランス/フォルチュネオ・オスカロ)は集団からちぎれでそのままリタイアすることを余儀なくされる。しかしながらメイン集団のスプリンターチームによる強力な牽引に屈服し始め、逃げ集団は徐々に人数を減らす。

 

集団を牽引するロシア(photo CyclismeJapon)

時速48kmで進む集団内の雨澤毅明(photo CyclismeJapon)

ゴールの街、シャトーブリアンの周回コース(約9kmx2周)に突入した残り20km地点で、最後の最後まで逃げを主張したU23欧州王者のペデルセンもとうとう力尽き、全ての逃げが吸収。レースは振り出しに戻り、集団スプリントで勝負は決することに。日本U23は小野寺玲のスプリントで勝負する段取りも、今日も北欧勢を中心にフィジカルにものを言わせた激しい位置取り合戦に、組織的なスプリントを組むことが困難。結果、最終局面で好位置にいた岡篤志が最終スプリントに参加することに。

 

ゴールまで300m手前ほどの最終コーナーを曲がるや、ノルウェイチームが凄まじいスピードでスプリントを開始。最後は2016年U23世界チャンピオンであるクリストファー・ハルフォルセン(ノルウェイ)が、上り基調のスプリントでライバルをごぼう抜きにする圧倒的なパワーで今レース初ステージ優勝。約1月後に迫った自国開催の世界選手権への弾みをつけた。日本U23では岡篤志が16位。第2ステージの落車で遅れた山本大喜以外の選手は全員マイヨジョーヌと4秒のタイム差をキープ。

U23世界王者のハルフォルセンが集団スプリントを制す(photo Le Tour de l'Avenir)

■リザルト:
<第3ステージ>
1位:クリストファー・ハルフォルセン HALVORSEN Kristoffer(ノルウェイ)2時間56分5秒(平均時速47,534 km/h)
2位:アルヴァロ・ホセ・ホデグ・チャグィHODEG CHAGUI Alvaro Jose(コロンビア)トップと同タイム
3位:クリストファー・ロウレスLAWLESS Christopher(イギリス)トップと同タイム

 

16位:岡篤志(宇都宮ブリッツェン)トップと同タイム
41位:小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)トップと同タイム
81位:岡本隼(日本大学/愛三工業レーシング)トップと同タイム
99位:石上優大(EQADS/Amical Velo Club Aix en Provence) トップと同タイム
112位:雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)トップと同タイム
135位:山本大喜(鹿屋体育大学)トップから+6分3秒

 

■レース動画(U23ジャパンナショナルチーム撮影):

『岡篤志へのレース中補給の様子』

■U23ジャパンナショナルチーム浅田顕監督のコメント:
「緩いアップダウンがあるものの平坦基調の高速ステージ。チームは逃げに乗る展開を作りつつ、集団ゴールの場合は小野寺で上位を狙う。レースは序盤からアタックが止まず高速で進む中、途中の山岳ポイントをきっかけに主力国計14人の先行グループが出来る。しかし集団もゴール直前で勢いの衰えなかった逃げを辛うじて捕まえ、勝負は集団スプリントに持ち込まれた。勝ったのはU23世界チャンピオンのハルフォルセン(ノルウェー)、日本チームは岡が小野寺に代わりスプリントし16位でのゴールとなった。昨日落車で負傷した山本も積極的に逃げの展開を試みた後、集団から少し遅れてのゴールとなった他、他の選手は平均速度47.5㎞の高速レースを集団ゴールで終えた。明日からは徐々に風の影響を受けやすいステージが始まる。チームの団結をより高めレースに臨みたい。」

出場選手コメント

・ステージ1位:クリストファー・ハルフォルセン:
(2016年U23世界王者&マイヨ・ヴェール)
「第1&第2ステージでは2位と3位だったので、やっとステージを取れて嬉しいよ。チームは僕を常に集団の前に連れて行ってくれたので、彼らの働きに報いる勝利が出来て幸せだね。このレースにはステージ優勝するために来たんだ。ボクにチャンスが有るステージ(スプリントステージ)がまだあるので、これからも勝利を狙っていきたいね。
3ステージ終わった時点でマイヨ・ヴェール争いでもリードしているので、最後までこのジャージを守り抜きたい。U23世界選手権に向けては、ベルギーなどのレースで調整をしてから臨むつもりだよ。もちろん世界王者タイトルを守るつもりで走るけど、昨年のコースよりもきついレイアウトなので困難が予想されるね。調子が良ければ勝つつもりで臨むよ」

 

・ステージ2位:アルヴァロ・ホセ・ホデグ・チャグィ(コロンビア):
「クライマー中心のうちのチームは誰も逃げに選手を送り込めなかったので、スプリントに参加するためには逃げを吸収する動きが強いられたね。最後のラウンドアバウトで、ノルウェイチームがハルフォルセンのための非常に強力なスプリントを仕掛けたんだ。ゴール前は自分に向いている平坦気味のものかと思っていたけど、実際は結構上っていた。U23世界チャンピオンの勝利は納得だ。彼は今日最高に強かったよね。自分の調子も非常にいいので、次のチャンスを狙うよ。」

 

・岡 篤志(日本U23/宇都宮ブリッツェン)第3ステージ15位(総合+4秒):
「最後周回に入ってからはテクニカルなコースだったので、小野寺と一緒にリスクを避けるため前方に位置しました。しかし大柄選手による位置取り合戦が非常に激しく、小野寺ともはぐれてしまい最後は単騎で臨みました。最終局面小さな飛び出し集団が形成されたタイミングがあり、それに乗れなかったのは力不足。乗れていたら上位でのゴールも可能だったので残念」

 

・小野寺 玲(日本U23/宇都宮ブリッツェン)第3ステージ30位(総合+4秒):
「最終周回に入る前(残り役10km)に岡本に引き上げてもらい、集団前方のいい位置にたどり着くことができたんですが、他国の巨体選手達が激しく位置取りをするため、岡らアシスト選手ともはぐれてしまった。比較的小柄な日本人選手が世界トップの集団で位置取りをすることの困難さを痛感しました。まだまだ似たような展開のステージがありそうなので、打開策を見つけ出したい。」

 

・岡本 隼(日本U23/日本大学/愛三工業レーシング)第3ステージ81位(総合+4秒):
「50km地点で14名程度の逃げが決まり40-50秒程度のタイム差。速度が落ちるかと思ったら、今度は逃げに乗り損なったイタリア、チェコ、コロンビアらが強力に集団を牽引。直線になるとメイン集団から逃げ集団がチラチラ見える場面もあったため、すぐに吸収されるかと思いきや、逃げもローテーションをガンガン回して吸収されまいと粘る。全てが日本のレースの常識を飛び越えた光景でした。」

 

・石上優大(日本U23/EQADS/Amical Velo Club Aix en Provence) 第3ステージ99位:
「スタートからアタック合戦に参加していましたが高速展開が続いた最初の50kmぐらいところで脚がだるくなり、丁度そこあたりで逃げか決まってしまった。全般的に身体がきつく感じる日だった。結果論になりますが、序盤のアタック合戦で温存し、最終の周回コースで展開出来るようにしたほうがクレバーなペース配分だったと思う。今日は残念な結果だったが、今日学んだ事を翌日に活かしていきます」

 

・雨澤毅明(日本U23/宇都宮ブリッツェン)第3ステージ108位:
「とにかくスピードが速かった。スタートから50km地点までにかかった時間が1時間未満!つまり時速50km超。日本ではこのスピード域を体験したことが無いです。ちょっとスピードが緩まったかなぁ、と思っても45km程度。こういう体験を積むためにこの場所に居る。」

 

・山本大喜(日本U23/鹿屋体育大学)第3ステージ136位(総合+16分40秒):
「スタートからアタック合戦が活発で、最初の1時間の平均時速が約50kmで集団もアップアップ。50km過ぎ地点で漸く決まりかけた逃げを見て“これは決定的な逃げに違いない!”と感じ、すぐに追走に入りました。逃げを追うボクに対して“グッドラック・・”と声をかける選手もいたぐらい。結局、あまりにも勢いのある逃げだったため、追いつくことが出来ず脚を使ってしまった。終盤は逃げを追いかけた影響もあって、ちぎれてしまいましたが、また明日からも積極的にアタックしたい。」

 

-レース名:
『第54回ツール・ド・ラヴニール』
Le Tour de l’Avenir(未来のツール)
https://www.tourdelavenir.com/
-カテゴリー:UCI Europe Tour (2.Ncup)
-期間:2017年8月18日(金)-27日(日)
-距離:全9ステージ=総走行距離1,201km、総獲得標高=16,673m

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