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2017/8/23 更新

【ツール・ド・ラヴニール】山本大喜が果敢に逃げた!優勝はヴァジリ・ストロコウの手に

小国ベラルーシがまさかの逃げ切り!欧州の大国を出し抜きサプライズ優勝

ワインと古城の地をロワール川に沿って東に移動する第5ステージは、選手たちの疲れもみ見え始めるタイミングのため、激しい展開は影を潜めることが予想される。このような“移動ステージ“では総合成績に関係のない選手がステージ勝利をもぎ取る絶好のチャンス。逃げに乗りたくてウズウズしている日本U23チームの山本大喜も、スタート地点でマイヨジョーヌら各賞ジャージの真後ろに陣取り、スタートアタックを虎視眈々と狙う。

 

■第5ステージ「モントルイユ=ブレイ>アンボワーズ」=157.1km(獲得標高1208m)
スタート地点では山本大喜がスタート最前列に整列するマイヨジョーヌら3賞ジャージのすぐ後ろに陣取り、スタートアタックを狙う。スタート直後、岡篤志が他選手との接触でメカトラブル。修理後に集団を追う間に、先頭では山本大喜を含む18人の逃げが形成される。しかし15km地点の踏切が電車通過で締まり、レースが止まるというアクシデント。通常UCIルールでは30秒差以内の逃げが踏切で捕まった場合は「逃げ無効=集団と合流」となるが、コミッセール判断で逃げは「有効」に。よって、踏切が開いた時点で逃げ集団を先に行かせ、メイン集団は踏切停止時点でのタイム差である15秒待たされてから再スタート。その後は山本大喜を含む逃げと、メイン集団とのタイム差は最大40秒まで開く。

ジ)スタート地点で山本大喜が3賞ジャージの後ろに陣取り、スタートアタックを狙う(photo CyclismeJapon)

第5ステージスタート地点に向かう選手たち(photo le tour de l'avenir)

しかし逃げに乗れなかったポルトガル、スイス、ベルギーらが強力な牽引をし、タイム差はみるみるうちに縮小、その後メイン集団が逃げを吸収しレースは60km付近で降り出しに。その後しばらく気が緩んだメイン集団を出し抜いて形成された3名の逃げが、大きなドラマを作る。

一時、7分以上のタイム差を広げた逃げ切りの3名(photo le tour de l'avenir)

トイレ休憩からメイン手段に戻るマイヨジョーヌ(photo CyclismeJapon)

ストロコウの勝利に大いに貢献したヴォルカウ(photo le tour de l'avenir)

ヴァジリ・ストロコウ&イリヤ・ヴォルカウ(ベラルーシ)、そしてパトリック・ギャンパー(オーストリア)による逃げは、ゴールまで残り50km時点で7分30秒差まで一気に開く。誰もがメイン集団による強力な牽引で3名が追い詰められて捕まり、集団スプリント勝負になると思いきや、タイムトライアルスペシャリストを含む3名が粘りに粘る。結局、ゴールの街アンボワーズでの周回コースに入り、残り距離20km時点でのタイム差が5分30秒と告げられた瞬間に3名の逃げ切りは決定的に。
最後はベラルーシ2名vsオーストリア1名での勝負は定石通りベラルーシに有利に働き、本大会のダークホースとも云えるベラルーシのヴァジリ・ストロコウが番狂わせのドラマに枠観客の前でスプリント勝負を制した。

ダークホースであるベラルーシのストロコウがサプライズ勝利(photo le tour de l'avenir)

■リザルト:
<第5ステージ>
1位:ヴァジリ・ストロコウSTROKAU Vasili(ベラルーシ)3時間50分50秒(平均時速43,278 km)
2位:パトリック・ギャンパー GAMPER Patrick(オーストリア)
3位:イリヤ・ヴォルカウ VOLKAU Ilya(ベラルーシ)トップから+13秒

 

22位:岡本隼(日本大学/愛三工業レーシング)トップから+3分49秒
43位:岡篤志(宇都宮ブリッツェン)トップから+3分49秒
70位:山本大喜(鹿屋体育大学)トップから+3分49秒
79位:雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)トップから+3分49秒
89位:石上優大(EQADS/Amical Velo Club Aix en Provence) トップから+3分49秒

 

■レース動画(U23ジャパンナショナルチーム撮影):

「ツール・ド・ラヴニール2017」第5ステージ スタート地点に集まる選手たち

「ツール・ド・ラヴニール2017」第5ステージ 序盤の山本大喜を含む逃げが踏切に捕まる

■U23ジャパンナショナルチーム浅田顕監督のコメント:
「フラットな高速ステージでは逃げを打つ選手と捕まえるチームの追いかけっこで速い展開が続く。序盤に19名の逃げグループが成立しスタートから果敢に動いた山本が乗る。しかし集団もこれを容認せず序盤のうちに吸収。しかしレース中盤中休みムードのペースが落ちたタイミングで飛び出した3名(-オーストリア1名、ベラルーシ2名)の逃げが容認され最大7分までリード。後半に追い上げの主導権を取るチームもなく各チームの息も合わず最後はこの3名の逃げ切りを許してしまった。4位以下の集団では岡本の22位の成績に留まった。勝ったのは逃げた2人のベラルーシのひとりSTROKAU、国際大会ではジュニア以来の優勝と思われる。明日は最後のフラットステージ。山岳ステージを前にステージ上位入賞を狙う。」

出場選手コメント

・ステージ1位:ヴァジリ・ストロコウ(ベラルーシ):
「とんでもない勝利だ!信じられないよ。ゴールまで60km地点でアタックし、ボクのチームメイトであるイリヤ・ヴォルカウと、オーストリアのパトリック・ギャンパー3名での逃げになったんだけど、非常にいい協調体制が出来てみるみるうちにタイム差を広げられた。ギャンパーはゴール500m前でスプリントを仕掛けてきた。その後ボクはゴール200m前まで待って彼のことを捲くったんだ。正直、彼のほうがスプリントは強いと思っていたので勝てたことに驚いている。自分の勝利確率はせいぜい50%ぐらいだとしか思っていなかったからね。チームメイトのヴォルカウが一緒に逃げに乗ってくれたのはラッキーだったね。彼はこの勝利を掴むための素晴らしい働きを沢山してくれたからね。」

 

・ステージ2位:イリヤ・ヴォルカウ:
「チームにとって素晴らしい日になったね。アタックを決めたときは正直勝てるなんて思ってなかった。タイム差が7分程度になってから漸くして“もしかしたら勝てるかも!?”と思えてきた。3名の逃げにうちのチームが2名居たのは大きなアドバンテージだったね。作戦としてはボクが逃げからアタックしてギャンパー(オーストリア)に追わせ、ストロコウを有利にするというものだった。ストロコウが勝ってくれたので、今日の働きが報われたよ。今日のコースはそんなにきついものじゃなかったから、大集団が僕らを簡単に逃してくれたのは驚きだね。ゴールのアンボワーズの街での最終周回コースレイアウトが少々複雑だったため、メイン集団がリスクを追うような走りをしなかったのも僕らには有利に働いたね。」

 

-レース名:
『第54回ツール・ド・ラヴニール』
Le Tour de l’Avenir(未来のツール)
https://www.tourdelavenir.com/
-カテゴリー:UCI Europe Tour (2.Ncup)
-期間:2017年8月18日(金)-27日(日)
-距離:全9ステージ=総走行距離1,201km、総獲得標高=16,673m

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