NEWS

2017/8/24 更新

【ツール・ド・ラヴニール】ワールドチーム研修生のコロンビア人が集団スプリントを制す

日本は雨澤ら3名の総合成績上位を賭けて、最終決戦のアルプスの地へ

最終アルプス3連戦を前にした最後のスプリンター向きステージ。2013年のツール・ド・フランスで、マーク・カヴェンデュッシュがスプリントを制した時と同じゴール地点が使われるため、スプリンター達にとっては象徴的な舞台だ。翌日は休息日ということもあり、非常に激しい展開が予想される。特に風が激しい区間ということもあり、横風を利用した「集団分断攻撃」を得意とするオランダ、ベルギー、北欧の大柄な選手が幅を利かせることになるだろう。小柄な選手が多い日本チームにとっては最も苦手とするタイプのステージ。この宿題を克服しないと世界では通用しない。

 

■第6ステージ「モンリシャール>サンタマン=モンロン」=139 .1km(獲得標高1129m)
最終アルプス3連戦前のスプリンター&パンチャーが勝利を狙える最後のステージ。スタート直後から、最後の勝利チャンスをものにしたいイタリアのフランチェスコ・ロマーノとアイルランドのマイケル・オローリンがスタートアタックを敢行。集団の安定化を望むメイン集団はこの逃げを容認し、この逃げに3分25秒の猶予を与えつつも、ゴールスプリントまでにじわりじわりと捕らえにかかる。一見、「逃げvsスプリンターチーム」という定石通りのステージ展開になるかに見えたものの、大柄な選手を揃えるデンマーク、ノルウェイ、オランダが、横風区間と狭い道幅を利用して弱い選手らを削りにかかり、集団内は度々パニックに。小柄な日本選手にとっては、アルプスで総合順位争いを戦う権利獲得のための、生き残りを賭けた展開となる。
そんな中、全日本選手権での鎖骨骨折からの復帰間もない岡篤志が、パンクののちチームカーに激突して落車。不幸中の幸いとしては、治療をした鎖骨には影響がなかった事だろう。その後かろうじて集団復帰を果たした。

山本大喜のサインはこんな漢字(感じ)(photo CyclismeJapon)

出走サインボードにサインする山本大喜(photo CyclismeJapon)

歓声を浴びる雨澤毅明(photo CyclismeJapon)

ゴールまで残り3km。スプリンターを擁する強豪チームがコントロールするメイン集団は、ゴール2km前に差し掛かるもまだスタートアタックをした2名を捕まえられず、タイム差は25秒。2人はゴール1km手前でも15秒差で抵抗し、逃げ切りもありえるかと思えたのもつかの間、スプリントのための“お見合い”でスピードを緩めたために、ゴールまで残す所500mほどで吸収されることに。ギリギリ逃げ吸収に間に合ったメイン集団での混戦のスプリントは、既にUCIワールドチームである「クイックステップフロアーズ」に研修生として所属中のコロンビア人スプリンター、ホデグ・チャグィが僅差で制する。逃げ続けたロマーノとオローリンの2名が吸収後にも関わらずスプリントに参加し、7位と9位に入っている点も圧巻だ。

ボトルを運ぶ石上優大(photo CyclismeJapon)

補給地点の模様(photo CyclismeJapon)

日本選手5名はメイン集団でタイム差無しゴール。現時点での総合上位は山で活躍しないであろうスプリンターらが占めているが、総合成績を狙う選手ら90名が位置する「事実上の総合成績先頭集団」(マイヨジョーヌから3分49秒遅れ)に岡篤志、岡本隼、雨澤毅明が入っており、25日から始まるアルプス3連戦での総合成績争いに期待がかかる。

僅差でスプリントを制したコロンビアのホデグ(photo Le tour de l'avenir)

■リザルト:
<第6ステージ>
1位:アルヴァロ・ホセ・ホデグ・チャグィ HODEG CHAGUI Alvaro Jose(コロンビア)3時間0分46秒
2位:アラン・バナツェク BANASZEK Alan(ポーランド)トップと同タイム
3位:コンラッド・ゲスナー GEßNER Konrad(ドイツ)トップと同タイム
===================

34位:山本大喜(鹿屋体育大学)トップと同タイム
53位:岡篤志(宇都宮ブリッツェン)トップと同タイム
82位:岡本隼(日本大学/愛三工業レーシング)トップと同タイム
110位:石上優大(EQADS/Amical Velo Club Aix en Provence) トップと同タイム
118位:雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)トップから+3分49秒

 
■U23ジャパンナショナルチーム浅田顕監督のコメント:
「前半の6つのスピードステージを終えての感想。ここには世界のトップが集まっている。U23のトップというよりこれから世界をリードする連中が確実に集まっていると感じる。スプリンターは驚異的な爆発力と粘りがあり、逃げる選手は狂っている。ここでのステージ1勝をどんなに望んでいるのか良くわかる。他のネイションズカップともプロのレースとは性質が違い、各チームの動きは組織的だが選手の可能性を殺さない。だから何があるかわからない。シナリオはあるが決め台詞は心の底からの叫びのようなアドリブだ。そんな日本選手を輩出したい。いよいよ試される山岳ステージが始まる。日本の位置と将来を占う大切なステージになりそうだ。」

出場選手コメント

・ステージ1位:アルヴァロ・ホデグ(コロンビア):
「チームメイト達はボクがスプリントしやすい位置に連れて行くために、最終局面で複雑なコースレイアウトで素晴らしい働きをしてくれた。ゴール3km手前地点で10-12番手。スプリンターのボクにとっては、平坦ステージが終わる今日が最後のステージ優勝チャンスだったし,ここまで2度も2位になっているからどうしても勝ちたかった。ボクのことを助けてくれた家族とチームメイトには本当に感謝している。この勝利は彼らのものだ。ゴール地点でガッツポーズをしなかったのは、僅差のスプリントだったので自分では勝利の確信がなかったからなんだ。(今後はコロンビアの強豪スプリンター、フェルナンド・ガビラと比べられる事になるね?との質問に)いやいや、フェルナンドとはまだまだ次元が違うよ!彼とは親友だけど、ボクとは次元が違う選手だよ。彼はジロ・デ・イタリアで4勝したんだよ。全くもってボクとは別次元だよ。いつか彼のレベルになれるように頑張りたいね」

 

・パトリック・ギャンパー(オーストリア)第5ステージの大逃げでマイヨジョーヌを獲得し、今日もキープ:
「逃げにチームメイトが2名居たので休むことが出来た。レース終盤は横風が凄まじかったね。デンマークとノルウェイがその区間で横風を利用して集団を壊そうとしていた。昨日よりもスプリントする脚が残っていたんだけど、ゴール数キロ手前からの複雑なコースレイアウトが頭に入っていなかったので、しっかりスプリントに挑めなかった。でもマイヨジョーヌをキープ出来てよかったよ。25日からのアルプス最終3ステージは、ここまでの平坦気味ステージとは全く別のレースになるだろうね。ボクはクライマーじゃないから今日が最後のマイヨジョーヌ着用日になるだろう。オーストリアとしては、クライマーであるベンジャミン・クルキックとマルクス・フライベルガーの2名にトップ10入りの勝負を託すことになる」

 
-レース名:
『第54回ツール・ド・ラヴニール』
Le Tour de l’Avenir(未来のツール)
https://www.tourdelavenir.com/
-カテゴリー:UCI Europe Tour (2.Ncup)
-期間:2017年8月18日(金)-27日(日)
-距離:全9ステージ=総走行距離1,201km、総獲得標高=16,673m

page top