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2017/8/26 更新

【ツール・ド・ラヴニール】コロンビアがステージを制圧し、ベルナルがソロ優勝

日本は翌日の最難関ステージにて、雨澤の総合順位アップを狙う

いよいよ泣いても笑っても残るは3ステージ。ツール・ド・フランスでおなじみの超級山岳マドレーヌ峠(24km/平均勾配6.2%)を始め、1級&2級山岳が連なるアルプス山脈が最終決戦の舞台となる。この3ステージの走行距離合計は約350kmながら、総獲得標高は実に11,000m。全9ステージの総獲得標高数16,637m中、66%以上が最後の3ステージに集中している。フィジカルが強い上に、チームの結束力、そして勝ちたい気持ちが一番強い者が世界最高峰のU23レースを制することになる。日本チームは雨澤毅明の総合成績20位以内を最低目標に最終アルプス三連戦に挑む。

ステート前の山本大喜photo CyclismeJapon)

スタート前に集中する選手たち(photo CyclismeJapon)

ステート前のアップをするイタリアチーム(photo CyclismeJapon)

■第7ステージ「サンジェルヴェ・モンブラン>オートリュス・レ・セズィ」=118 .4km(獲得標高3241m)
コースはスタートからすぐに上りに入り、10km地点でマイヨ・ジョーヌを着るオーストリアのギャスパーを含む6名の逃げが形成。山岳は苦手なギャスパーだが、チームメイトへの負担を軽減するためか、自ら先頭に出てマイヨ・ジョーヌを守りに行く。しかしクライマーではないギャンパーは千切れたり戻ったりを繰り返した後、遂に後方メイン集団へと戻る。

 

その後、ドイツのヨハネス・シナゲルが強力にリーダーシップを採りながら牽引する5名の逃げは、最高で3分50秒のタイム差をつける。
しかしメイン集団は全ての区間でコロンビアが完全に支配し、更なる逃げを容認しない。ジロ・デ・イタリア2017でも活躍し、「未来のキンタナ」と称されるコロンビアのリーダー、エガン・ベルナル(コロンビア/アンドローニジョカトーリ)を守るため、第6ステージで優勝したスプリンターであるアルヴァロ・ホデグ(コロンビア)が平坦や下りで、他のチームメイトは上りで献身的な動きをし、国を挙げてベルナルを勝たせる意思をプロトンにアピール。他国もコロンビアの最終攻勢がいずれ始まることを予想し、受け身の様相に。

 

そして遂に本日の勝負どころであり、ツール・ド・フランスでもおなじみのスキー場「オートリュス・レ・セズィ」までの約15kmの上りが始まった。組織的な牽引を開始したコロンビアチームがメイン集団のペースをアップ。それに耐えきれず、マイヨ・ジョーヌのパトリック・ギャンパー(オーストリア)や、来年度にチームスカイへの移籍が噂されるパヴェル・シバコフ(ロシア)も脱落。メイン集団は嵐を食らったようなダメージを受け、36名に。その中にはU23日本チームの総合成績を担う雨澤毅明が残る。

独走でゴールへと突き進むベルナル(photo Le Tour del'Avenir)

注目&要注意選手をメモしている浅田監督の選手リスト(photo CyclismeJapon)

最終局面、コロンビアは自国のアシストを削りながらペースアップを図り、残り12km地点で先頭集団は15名程度。雨澤は耐えきれずに千切れるも、タイム差のダメージを最小限にするべくマイペースで踏む。
最後はエガン・ベルナルがソロアタックし、ドイツのシナゲルら序盤から逃げていた選手らを単独で全て捕らえる。他を寄せ付けない軽快なダンシングで圧倒的な強さを見せつけて、アシスト達の献身的な働きに報いるステージ優勝並びにマイヨ・ジョーヌを獲得。いよいよ本レースの“真のボス“が姿を表した事になる。日本チームでは雨澤毅明がベルナルの2分37秒後にゴールし、総合25位。総合20位以上を狙って最後の2ステージをチーム一丸で戦っていく。

ベルナルがステージ優勝(photo Le Tour del'Avenir)

■リザルト:
<第7ステージ>
1位:エガン・ベルナル Egan Arley BERNAL GOMEZ(コロンビア)3時間14分2秒(平均時速35.994km)
2位:ジェームズ・ノックス James KNOX(イギリス)トップから+59秒
3位:ビョルグ・ランブレヒトBjorg LAMBRECHT (ベルギー)トップから+1分8秒

25位:雨澤毅明(宇都宮ブリッツェン)トップから+2分37秒
56位:山本大喜(鹿屋体育大学)トップから+6分43秒
80位:岡篤志(宇都宮ブリッツェン)トップから+11分27秒
82位:石上優大(EQADS/Amical Velo Club Aix en Provence) トップから+11分27秒
91位:岡本隼(日本大学/愛三工業レーシング)トップから+16分16秒

 

 

■U23ジャパンナショナルチーム浅田顕監督のコメント:
「移動日明けの山岳ステージでは前半6ステージとは活躍する選手がガラッと変わった。日本チームは雨澤の個人総合成績(目標20位以内)上昇を狙いチーム全員でサポートする。レースは序盤に6名が先行、2つの2級山岳ポイントを越えた後、一人、一人と脱落しながら山頂ゴールとなる第1カテゴリーの登りに入る。一方集団は終始コロンビアチームにコントロールされ、最後は逃げ全員を飲み込みながら、ラスト5㎞あたりでアタックしたエースのベルナール・ゴメスが1分差をつけて単独ゴールとなった。日本のエース雨澤は先頭から2分37秒遅れの25位でゴールしマズマズのタイム差で山岳初日を終えた。日本チームの役割を終えた各選手もそれぞれのペースでゴールし最難関の第8ステージへと繋げた。総合18位になったチェコのメイションズカップの時よりも強くなっている。しかしツール・ド・ラヴニールの選手層が2倍以上に厚いため、同じ順位は残すのは簡単ではない。明日は引き続き雨澤の総合成績上昇を狙いチーム一丸で戦う。」

選手コメント

・ステージ1位:エガン・ベルナル(コロンビア):
「このレースはU23選手にとって世界で一番重要なレースだ。今日のこの勝利は、ここまでのボクのキャリアの中で最高のものだ。」

 

・ステージ25位:雨澤毅明(総合25位、+2分37秒)
「現在総合25位、これ以上の成績アップを狙って明日・明後日の山岳ステージに臨みます。明日第8ステージはコースも厳しく、耐える受け身のレースとなりますが、チームメイトに引き続きアシストして貰って、皆の働きに成績で報いたい」

 

日本チームの総合成績エース、雨澤毅明(photo CyclismeJapon)

・ステージ91位:岡本隼(総合84位、+16分16秒)
「今日は補給のためにチームカーを呼ぶ場所や、タイミングなどがベストではなく、そのあたりのテクニックが要改善だと思いました。3つ中2つめの2級山岳で集団から千切れてからはマイペースで上り、翌日以降の雨澤選手アシストに備えて落ち着いてゴールしました」
・ステージ82位:石上優大(総合79位、+16分16秒)
「前半から雨澤さんを守るために積極的に動きました。3つ中2つめの2級山岳で雨澤さんを連れてうまく集団前方に行くことが出来た。最後の頂上ゴールの登りに入る麓で、もっと雨澤さんを前に連れて行きたがったが、うまく行かず。明日は今レース大難関のため出来ることは限られるが、全力を尽くしてチームの総合エースである雨澤さんをアシストします」

 

・ステージ80位:岡篤志(総合67位、11分27秒)
「雨澤さんを勝負しやすい集団の先頭に送ることを心がけて走りました。しかし、後ろをみて雨澤さんがついてきている事を確認して前に上げる、という基本が出来ていないときもあって、そこは要改善に感じました。全般的にはコンディションも良くなく、最終の上りでは雨澤さんをアシスト出来ずに託してしまって申し訳ない。明日は出来るだけ雨澤さんの近くでサポートするように務める」

・ステージ56位:山本大喜(総合110位、23分19秒)
「雨澤選手サポートする動きで臨んだが、3つ中1つ目の上りでスピードの緩急が激しい集団の後ろに下がってしまいキツくなってしまった。その反省で、次の上り(3つ中2つ目の2級)では集団前方で展開したら、ペースが一定で楽に登れた。最後のゴールへの上りは流石に厳しく、グルペットに乗ってゴール。足や腰のダメージはきついが、明日は積極的に展開したい。」

・小野寺 玲(第3ステージでの落車で頭部を打ち、リタイアを余儀なくされた)
「怪我は順調に回復しています。皆の戦いを応援しながら、この目に焼き付けて、自分のへのモチベーションにしつつ、日本に帰って多くの人に伝えたいと思います。」

日本U23チームのディナータイム(photo CyclismeJapon)

レース後に選手のマッサージを行う穴田マッサー(photo CyclismeJapon)

夜まで仕事が続くメカニックたち(photo CyclismeJapon)

■第7ステージ動画:

「ツール・ド・ラヴニール2017」第7ステージ チームカーにボトルを取りに来る岡本隼

『第54回ツール・ド・ラヴニール』
Le Tour de l’Avenir(未来のツール)
https://www.tourdelavenir.com/
-カテゴリー:UCI Europe Tour (2.Ncup)
-期間:2017年8月18日(金)-27日(日)
-距離:全9ステージ=総走行距離1,201km、総獲得標高=16,673m

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