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2017/9/22 更新

【KINAN Cycling Team】リカルドが愛息に捧げるステージ優勝!トマも3位入賞

ツール・ド・モルッカ第 3 ステージは KINAN 勢が完全掌握

KINAN Cycling Teamが出場しているツール・ド・モルッカ(Tour de Molvccas)は9 月 20 日に第 3 ステージが行われた。今大会唯一の山岳頂上フィニッシュが設けられたステージで、KINAN 勢がレースを完全掌握。この日リーダーを任されたリカルド・ガルシアが“予定通り”のステージ優勝。トマ・ルバも同タイムの 3 位に続き、ワン・スリーフィニッシュを達成。リカルドは山岳賞、またチーム総合でも首位をキープしている。

 

■ツール・ド・モルッカ第 3 ステージ ブラ(Bula)~ワハイ(Wahai) 153.8km
前日の第 2 ステージは、選手輸送のバスのトラブルの影響で大幅に距離が短縮。当初は 155.8km で行われる予定だったが、第 3 ステージはそのルートをほぼ逆走するコース設定。 大きな違いとしては、フィニッシュ直前の 2.2km が急坂となっている点。平均勾配 7 %、 場所によっては 10 %を超えようかという厳しい上りが待ち受ける。一気に駆け上がった先は、空港内に設けられるフィニッシュラインとなる。
今大会のクイーンステージとも目される 1 日を迎えるにあたり、チームは個人総合で 2 位につけるジャイ・クロフォードの順位アップを意識しつつ、ステージはリカルドで狙うことを確認。個人総合 4 位につけるトマも逃げを狙うなど、先手の攻撃をしていくことを心掛けた。

レースの前に地元サイクリストとのファンライドが実施された。スタートまでの間、選手たちはリラックスして過ごす

スタート地点に人々が押し寄せ大混乱に

アスリチューンでスタート前の補給を行う阿曽圭佑

その目論み通り、序盤はトマがリードする。8.7km 地点に設けられた 4 級山岳の上りで 集団から飛び出し、これを追った選手たちと合わせ 7 人ほどの逃げグループを形成する。 だが、これは直後の下りで集団のペースが上がったこともあり、平坦区間に入る頃にはトマたちが吸収されてしまう。代わって集団から抜け出した 5 人の動きが容認され、先行を 開始した。
メイン集団に待機した KINAN 勢は、個人総合で首位に立つマーカス・クレイ選手(オーストラリア)擁するセントジョージコンチネンタルとともに、ペースコントロールを開始。椿大志と阿曽圭佑の 2 人を前方に送り込み、集団を牽引した。
その間、逃げグループとメイン集団とのタイム差は 1 分台で推移。最大でも 1 分 40 秒 差と、先頭をゆく 5 人を完全に泳がせている状態にとどめた。集団では、チーム力に勝る KINAN 勢がコントロールする時間が次第に長くなり、椿や阿曽が絶妙なペースで距離を 追った。

序盤の上りから積極的にレースを展開。リカルド・ガルシアとトマ・ルバがペースを上げる

集団内で走るトマ・ルバはカメラに向かって V サイン

逃げグループは 1 人また 1 人と脱落していき、それとともにメイン集団とのタイム差が 縮小。終盤に入り、労せず逃げていた選手たちをすべて吸収した。
最後の上りは、傾斜が急なうえに道幅も狭いことから、上り口で好ポジションに位置す ることが上位進出のポイントとなった。椿と阿曽が集団前方を確保し、トマ、ジャイ、リ カルドも 2 人に続き、フィニッシュへと向かう状況を整えた。

KINAN Cycling Team がコントロールするメイン集団

阿曽圭佑と椿大志がコントロール役を担った

集団前方で走る阿曽圭佑。後ろにはリカルド・ガルシアらの姿も見える

上位争いが始まると、総合順位のアップを狙ったジャイが後方へと下がったものの、リカルドとトマは順当に前方へ。ライバルチームに対し数的優位な状態で最終局面を迎えた。
急斜面を過ぎ、ラスト 1km は少しの下りと緩斜面。登坂力とスピードに長けた選手が有利となった。ここで実力を発揮したのがリカルド。トマのアシストを受けながら、得意 とする少人数での上りスプリントに勝利。頂上フィニッシュを制し、8 月に誕生したばかりの愛息に捧げるうれしいステージ優勝になった。また、トマも 3 位に続き、ワン・スリーフィニッシュを達成した。

今大会唯一の山頂フィニッシュを制したリカルド・ガルシア。トマ・ルバも 3 位に続いた

優勝争いの後ろで粘ったジャイは、リーダージャージのクレイ選手と同じ集団でフィニッシュ。前半からアシストで貢献した阿曽と椿も頂上へと到達した。
終盤こそ個々の登坂力勝負となったが、そこの至るまでの過程でもレースをコントロールし、完全掌握した 1 日となった。このステージまでを終えて、リカルドの山岳賞とチーム総合での首位は変わらず。ジャイも個人総合 2 位をキープしている。

会心の勝利にトマ・ルバもガッツポーズ

おしゃぶりポーズで愛息への勝利をアピール

役目を果たした阿曽圭佑がフィニッシュ

21 日に行われる第 4 ステージは、マソヒからワイピリまでの 153.8km。カテゴリー山岳こそ中盤に控える 4 級のみだが、前半に長い上り基調の区間があるなど、コースレイアウトがレース展開に反映されることも考えられる。KINAN Cycling Team を含め、大会後半のチャンスをうかがうチームが積極的にレースを動かすことになりそうだ。

ツール・ド・モルッカ第 3 ステージ(153.8km)結果

1 リカルド・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) 3 時間 49 分 13 秒
2 パク・サンホン(韓国、LX サイクリングチーム) +0 秒
3 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +0 秒
4 ダディ・スリャディ(インドネシア、トレンガヌサイクリングチーム) +3 秒
5 マーカス・クレイ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +13 秒
6 アイマン・カヤディ(インドネシア、トレンガヌサイクリングチーム) +13 秒
個人総合時間賞
1 マーカス・クレイ(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル)10時間2分4 秒
2 ジャイ・クロフォード(オーストラリア、KINAN Cycling Team) +5 秒
3 ジェシー・イワート(オーストラリア、セブンイレブン・ロードバイクフィリピンズ)+9秒

選手コメント

椿大志
「序盤は集団からの出入りが激しかったので、その状況を収めるべくセントジョージと協力してレースをコントロールすることになった。逃げとのタイム差がそう大きくは開かなかったので、淡々とペースを刻むことができた。最後の上りに入ってからは、自分が一気にペースを上げて、チームメートにその後を託し た。調子はよいし、序盤にアタックを決めて逃げに入ることができれば、チームとして展 開の幅が広がるので、残り 2 日もトライを続けたい」
リカルド・ガルシア
「最後の上りの入口で椿さんと阿曽さんが前方を確保してくれたので、ベストなポジションで上ることができた。急勾配でもペースを落とすことなく、ステージ優勝に向けて走る ことができたのは幸運だった。韓国人選手のチェックも厳しかったが、得意のシチュエー ションでスプリントができ、勝ちにつながった。久々のレースだが、感覚にはまったく問題がない。トレーニングは継続していたし、調子は良かった。何より、わが子の存在が力になったね。勝ったことを真っ先に報告したいと思う」

 

トマ・ルバ
「リーダーチーム(セントジョージコンチネンタル)と比べてチーム力に勝っているので、レースをコントロールする局面は自然と多くなった。逃げをすべて捕まえて最後の上りに入ることができたので、あとは全力でフィニッシュを目指すだけだった。総合で逆転する チャンスのあったジャイが遅れてしまったけれど、リッチーがスプリントで強さを発揮したし、私も 3 位に入り、表彰台を 2 つ確保できたのは本当にうれしい。
残り 2 日間でジャイを総合首位に送り込めるようトライは続けるが、クレイ選手も強いので、決して簡単ではない。それでも逆転の可能性はあると思うので、チャンスに賭けてみたい」

 

● KINAN Cycling Team 出場選手
ジャイ・クロフォード
椿大志
阿曽圭佑
リカルド・ガルシア
トマ・ルバ

 

text&photo:Syunsuke FUKUMITSU

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