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2018/3/26 更新

【KINAN Cycling Team】アグレッシブな走りでレース全体を活性化

トマ・ルバが一時バーチャルリーダーとなる攻めの走りを展開

マレーシアで開催されているアジア最高峰のステージレース、ツール・ド・ランカウイ(UCIアジアツアー2.HC)は3月24日、第7ステージが行われた。今大会最長の222.4kmのレースにおいて、KINAN Cycling Teamが攻めのレースを展開。トマ・ルバが一時バーチャルリーダーとなったほか、サルバドール・グアルディオラもレース中盤から先頭集団に入りトマをサポート。逃げ切りが決まった関係から、トマの個人総合は9位に下がったが、アグレッシブな走りがレース全体を活性化させるきっかけとなった。

名峰キャメロンハイランドを上った第5ステージ、今大会最短の108.5kmで争われた第6ステージに続くは、この大会で最も長い200km超えのロングステージ。それにふさわしく、序盤から細かなアップダウンが連続し、サバイバルが予想されるコースレイアウトが用意された。カテゴリー山岳は4級のみながら、中盤までに7カ所を上る。その後は、フィニッシュまで約110kmの平坦基調を走るが、マレーシア特有の暑さやここまで6ステージをこなしてきた消耗度合いによっては、展開に大きな変化があったも不思議ではない。

KINAN Cycling Teamは、ここまでトマ・ルバが個人総合6位につけ、マルコス・ガルシアが同12位と続く。前日の第6ステージは、出走5人全員が次々と逃げ狙いのアタックを繰り出したが、厳しいチェックもあり先行するまでには至らず。それでも、残る2日間も引き続き攻撃的な姿勢を緩めず、チャンスを手繰り寄せるべくスタートラインに並ぶ。

レースはまず、山本元喜と中西健児の2人が積極的に前方をうかがう。繰り返し訪れる山岳での攻撃ではサルバドールも加わり、大人数での逃げグループ形成を狙う。プロトン全体での思惑が交錯し、しばらくは出入りの激しい状況が続いた。

均衡が破られたのはスタートから80km過ぎ。サルバドールを含む大人数の逃げが形作られると、ここに次、また次と力のある選手たちが加わり、最大で36人もの先頭グループとなる。やがて人数が絞られていくなか、100km地点を過ぎたところで今度はトマがメイン集団からアタック。先頭グループへの合流に成功したことで、前方で待つ格好となったサルバドールとの数的有利な形勢とした。

先を急ぐトマとサルバドールたちのグループに対し、個人総合上位陣は後方の集団に位置。2分以上のリードを得たことで、総合トップから1分8秒でスタートしたトマがバーチャル総合リーダーに立った。
だが、残り100kmを切ったところから総合上位陣が含まれる追走グループが生まれると、徐々に先頭とのタイム差を縮めていく。追う側と逃げる側双方の気迫がぶつかる争いは、残り約30kmを迎えたところで、追い上げた総合上位陣の合流によってふりだしに戻った。

この直後に10人がアタックし抜け出すと、トマとサルバドールは他の総合上位陣とともに追いかける形に。しかし、タイム差は広がる一方。結局、この10人の逃げ切りが決まり、トマとサルバドールはトップから1分28秒差のメイン集団内でフィニッシュを迎えた。

逃げ切ったメンバーの中に、総合上位に肉薄していた選手が数人含まれていたことから、このステージを終えてのトマの個人総合は9位に下がった。また、同12位でスタートしたマルコス・ガルシアが胃腸のトラブルで途中リタイア。3位につけていたチーム総合も9位となり、総合各賞の観点からは厳しい1日となった。

かたや、繰り返しやってくるアップダウンや気温40度近い暑さの中でのレースにあって、KINAN勢の動きがサバイバルな展開につながった部分も見逃すことはできない。世界の名だたるチームが出場するハイレベルな大会で、攻撃的姿勢を見せることができた点では大きな収穫ともいえそうだ。

アジアが世界に誇るステージレースは翌25日、いよいよ2018年大会の最終日を迎える。最後を飾るべく、マレーシアの首都・クアラルンプールを目指して走る。距離は141.1kmで、スプリントポイントと4級山岳がそれぞれ3カ所ずつ控える。クアラルンプール市内に入ってからは、一度フィニッシュラインエリアを通過したのち、市街地を一周回したのちフィナーレ。この周回コースは山岳ポイントこそつかないものの、最大勾配14.2%を筆頭に10%前後の登坂が繰り返し登場。さらには、距離こそ短いものの驚異の勾配39.3%の下りも選手を待ち受ける。ステージ、総合ともに最後の最後まで勝負の行方は分からない、ドラマを生み出すルートが整えられた。

KINAN Cycling Teamはトマ、サルバドールのほか、山本と中西も最終の第8ステージに駒を進めている。この大会を通じて続く強気のスタンスを最後まで貫く構えだ。

ツール・ド・ランカウイ第7ステージ結果(222.4km)

1 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アンドローニジョカットリ・シデルメク) 5時間8分23秒
2 ユーゲルト・ジューパ(アルバニア、ウィリエールトリエスティーナ・セッレイタリア) +0秒
3 ルスラン・トルウバイエフ(カザフスタン、アスタナプロチーム)
4 ディラン・ペイジ(スイス、チームサプラサイクリング)
5 ジェイコ・フェンター(南アフリカ、ディメンションデータ)
6 パオロ・シミョン(イタリア、バルディアーニ・CSF)
22 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +1分28秒
38 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
51 山本元喜(KINAN Cycling Team) +14分50秒
104 中西健児(KINAN Cycling Team) +20分12秒
DNF マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)
<個人総合時間>
1 アルテム・オヴェチキン(ロシア、トレンガヌサイクリングチーム) 28時間56分20秒
2 ルカシュ・オウシャン(ポーランド、CCCスプランディ・ポルコヴィチェ) +28秒
3 ベンジャミン・ディボール(オーストラリア、セントジョージコンチネンタル) +32秒

 

■トマ・ルバ コメント
「最後の2日間でどれだけトライできるかを考えている。今日はそれが成功するまであと少しだった。長距離と暑さの中でのステージで、サルバドールとできる限りのことをやった。まぁこれがサイクリングというものだね。もちろんここまでの走りはポジティブに捉えている。挑戦を続けることが大事だし、それをせずに終えるわけにはいかない。しっかり体を休めて最後の1日に臨む」

 

●ツール・ド・ランカウイ(Le Tour de Langkawi、UCIアジアツアー2.HC)
第7ステージ ニライ(Nilai)~ムアル(Muar) 222.4km

●KINAN Cycling Team出場選手
山本元喜
中西健児
マルコス・ガルシア
サルバドール・グラルディオラ
トマ・ルバ

KINAN Cycling Team
https://kinan-cycling.com
Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

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