【Team ユキヤ通信 No.74】雨の個人タイムトライアルを完走「明日のレースは天気次第で展開が変わる」
2017.8.9 更新
10月7日(日)、新潟県南魚沼市でJプロツアー第22戦「第52回JBCF経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ/第4回JBCF南魚沼ロードレース 高木秀彰メモリアル」が開催された。以下、クラスタごとの大会レポートをお届けする。
2018年シーズン全22戦の最終戦は、2年ぶりの開催となる南魚沼ロードレース。Jプロツアーの中でも最もステータスの高い「経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ」としての開催。さらに、昨年急逝したJBCFオフィシャルフォトグラファー故・高木秀彰氏のメモリアルレースとして開催された。
スタート前、昨年優勝の佐野淳哉(マトリックスパワータグ )から経済産業大臣旗が返還される
昨年急逝したJBCFオフィシャルフォトグラファーの故・高木秀彰氏に黙祷が捧げられた。
コースは南魚沼市にある三国川ダムの周囲を回る12km。細かなカーブが連続し、残り2kmからフィニッシュまでは標高差100m以上を一気に登るハードなコースだ。
台風は前夜のうちに通り過ぎたものの、朝から断続的に雨が降り続く1日。真夏日となった前日とうって変わって肌寒さを感じる中での最終戦となった。
P1クラスタは10周120km+2km。スタート直後の登り区間で山本元喜(KINAN Cycling Team)が集団の先頭に立ってペースアップ。頂上付近でフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ )がアタックすると、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が反応し、2人が先行する。その後追走集団が次々と合流し、1周目終了間際にメイン集団が吸収する。
2周目、マンセボを含むマトリックスパワータグ、宇都宮ブリッツェン、シマノレーシング、山本らを含む11人の集団が先行。そこからマンセボのペースアップに追従した7人の先頭集団が再構成される。メンバーは、マトリックスパワータグ のマンセボとホセ・ビセンテ・トリビオ、宇都宮ブリッツェンの雨澤毅明と岡篤志、シマノレーシングの湊諒、LEOMO Bellmare Racing Teamの米谷隆志、KINAN Cycling Teamの山本。5周目には米谷が遅れるものの、メイン集団との差は1分30秒まで開く。
1周目から積極的に動くフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ )
レース序盤、7名の集団が先行する
6周目、シマノレーシングがコントロールするメイン集団と逃げる6人との差は2分近くまで開く。8周目に入り、メイン集団のコントロールが宇都宮ブリッツェンに代わると差は一気に1分まで縮まる。先行する集団では、ホセと山本が登り区間でペースアップ。マンセボと湊が続き、雨澤と岡は集団に戻った。これにより先頭集団は4人となり、残り2周となる9周目に入る。
レース終盤は宇都宮ブリッツェンが集団コントロール
残り2周、先行するフランシスコ・マンセボとホセ・ビセンテ・トリビオを追う3名
その直後マンセボがアタック。ホセが続き、山本と湊は遅れる。マトリックスパワータグ の2人は先頭交代しながらペースアップし、後続との差を1分まで広げて最終周回に突入する。追走するメイン集団からは、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)入部正太朗、横山航太(以上シマノレーシング)の3人が飛び出す。しかし残り半周を切ってもタイム差は50秒までしか縮まらず、勝負は決まった。
濃霧の中フィニッシュするフランシスコ・マンセボ(左)とホセ・ビセンテ・トリビオ(右、共にマトリックスパワータグ )
マンセボとホセのワン・ツーフィニッシュにより、マトリックスパワータグが団体成績でも優勝。昨年に続き経済産業大臣旗を獲得した。また、このレースから設定された敢闘賞は、序盤から積極的な動きを見せた山本に贈られた。
このレースをもってJプロツアー2018年シーズンが終了した。個人総合は窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)が初優勝。団体総合は宇都宮ブリッツェンが2014年以来の優勝となった。
高木秀彰賞の目録を手にするフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ )
経済産業大臣旗は再びマトリックスパワータグ へ
ピュアホアイトジャージは織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が獲得
宇都宮ブリッツェンが団体総合優勝
<結果 P1クラスタ 122km>
1位 フランシスコ・マンセボ・ペレス(マトリックスパワータグ ) 3時間14分20秒
2位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ ) +0秒
3位 横山航太(シマノレーシング) +1分3秒
4位 入部正太朗(シマノレーシング) +1分7秒
5位 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) +1分13秒
6位 木村圭佑(シマノレーシング) +1分40秒
敢闘賞 山本元喜(KINAN Cycling Team)
<団体成績>
1位 マトリックスパワータグ 720p
2位 シマノレーシング 520p
3位 宇都宮ブリッツェン 285p
個人総合優勝 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング)
U23賞 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)
団体総合優勝 宇都宮ブリッツェン
2周26km+2kmで行われたFクラスタ。前日同様に1周目から唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が独走体勢を築き、後続との差を広げにかかる。盛永母映(F(t)麒麟山Racing)が一時30秒差に迫るものの追いきれず、最後は1分30秒以上の差をつけて唐見が逃げ切り勝ちした。
2周を逃げ切って優勝した唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)
2位に入った盛永母映(F(t)麒麟山Racing)
<結果 Fクラスタ 26km>
1位 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム) 50分48秒
2位 盛永母映(F(t)麒麟山Racing) +1分39秒
3位 大岩明子(ブラウ・ブリッツェン) +2分22秒
Jフェミニンリーダー 唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)
4周48km+2kmで行われたE1クラスタは、序盤から逃げと吸収を繰り返しながら最終周回までに残った10人ほどの中での勝負に。残り2kmから先行した香山飛龍(横浜高校自転車競技部)を、前日優勝の寺崎武郎(バルバレーシングクラブ)、リーダージャージの石井祥平(アーティファクトレーシングチーム)らが吸収。最後は石井が寺崎を下して優勝した。
新潟が地元のF(t)麒麟山Racingが集団を牽引
ネクストイエロージャージの石井祥平(アーティファクトレーシングチーム)が優勝
<結果 E1クラスタ 50km>
1位 石井祥平(アーティファクトレーシングチーム) 1時間22分0秒
2位 寺崎武郎(バルバレーシングクラブ) +4秒
3位 津田悠義(三好高校) +14秒
4位 海野晋作(VENTOS FRECCIA) +19秒
5位 香山飛龍(横浜高校自転車競技部) +19秒
6位 利田卓也(Y’s Road) +24秒
Jエリートツアーリーダー 石井祥平(アーティファクトレーシングチーム)
Jプロツアー第22戦
第52回JBCF経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ
第4回JBCF南魚沼ロードレース 高木秀彰メモリアル
日付 2018年10月7日
開催地・コース 新潟県南魚沼市 三国川ダム周回コース(12km/1周)
距離 122km(P1)、26km(F)、50km(E1)、38km(E2)、26km(E3)
文/写真 JBCF 一般社団法人全日本実業団自転車競技連盟
http://www.jbcf.or.jp/