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2016/12/9 更新

【レースレポート】2016 DOWNHILL SERIES#6 吉無田高原 

土曜日の朝、会場は真っ白な霧に包まれた

雨の中試走を繰り返す吉無田キッズ・山本一晴選手(takebow-tune Gravity republic/よしむたMTBクラブ)の顔は泥だらけ、でも楽しそう!

土曜日の朝は大雨、雷注意報が発令され、町から会場までの道のりにあるアンダーパスが水没するほどの荒れたお天気。土砂降りで、少し雨も弱く空も明るくなってきたかな?と思えばまたも暗雲立ちこめ、バケツをひっくり返したような雨。次こそやむかな?と思いきや、濃霧で視界は5m程度。そんなお天気に翻弄されながらも、雷注意報が解除されると「吉無田キッズ」をはじめとする小学生・中学生ライダーは意気揚々とコース試走を繰り返す。

午後のタイムドセッションが始まる頃に、やっと晴れ間が出てきた。阿蘇の外輪山の外れにあるこのコースは、火山灰が混ざった真っ黒な土。表面の土は滑りやすく、土砂降りの影響でツルツル。難しいコーナーに差し掛かるとスッテンコロリンと滑って転けるライダーたちの姿がフィニッシュエリアからも見える。降りてきたライダーたちは顔から足先まで泥だらけで真っ黒で、それでもみんなまた、ここ吉無田高原でレースができる喜びを噛みしめるように笑顔を輝かせた。
タイムドセッションのトップタイムは井手川直樹(AKI FACTORY/STRIDER)の56.698。続いて全日本チャンピオンの九島勇気(玄武/MONDRAKER)、阿藤寛(Acciarpone bikes)とPROライダーが続いたあと、エリートクラスの田中将之(FOG bikes/チキン☆ヒーローズ)、エキスパートクラスの中学生ライダー古城栄翔が続く結果となった。

地元のお店など3つの飲食ブースが出展し、ライダーや観客のお腹を満たした

吉無田高原のコースは「丸見え」なのが特徴。コース脇からは応援の声が飛ぶ

日曜日。夜に少しだけ降った雨は、コースを乾かすのを妨げた。しかし、水はけが良いと言われる土だけあって、午前中の試走の間にもぐんぐんと路面コンディションは回復。本戦が始まると、タイムは前日よりも大幅に更新されていく。
XC BIKEクラスは、ファットバイク対20年前のDHバイクという闘いを制した眞武広一(Click八幡)が勝利。ファーストタイマークラスでは、毎週末吉無田高原へ練習に来るということもあって、レース前には「僕、勝っちゃうかも」と話していた小学4年生の吉無田キッズ、井ノ一公史郎(ヨシムタMTBクラブ/ニュースタイル/CLEAT)が宣言通り2位に5秒近い差をつけて優勝。毎戦40人近いエントリーが集まる激戦のスポーツクラスでは、公史郎選手の兄で中学1年生の井ノ一涼介(ヨシムタMTBクラブ/ニュースタイル/CLEAT)が大人たちを押さえて優勝した。
そして、これまたエリートクラスに上がりたい大人たちがひしめくエキスパートクラスでは、前日のタイムドセッションでもトップタイムだった中学1年生の古城栄翔が圧巻の勝利。タイムが読み上げられた瞬間には感嘆のため息のあとに会場中から歓声と拍手がわき起こった。DOWNHILL SERIESの始まった3年前から大人たちに混ざってレースへ参戦してきた彼の優勝は、この日一番と言っていい盛り上がりとなった。

エリート女子クラスでは、走るパン屋さん・富田敬子(Accairpone bikes)が圧勝。エリート男子クラスでは九州の帝王・本村貴之(delsol/cleat/トクサガ峰)とのコンマ差の闘いを制した高校3年生、田丸裕(Acciarpone bikes)が優勝。
PROクラスは前日よりも7秒縮めたタイムで今年の全日本チャンピオン九島勇気が今年のDOWNHILL SERIES初優勝を決めた。

集合写真。また来年、ここで会いましょう!

震災時には既に日程が発表されていた今回のDOWNHILL SERIES吉無田高原大会。震災が起こった時、開催できるのか?開催すべきなのか?と様々な葛藤があった。
しかし、終わってみれば、PROクラスを除く全クラスの優勝者は小学生〜高校生の若者たち。何より、「吉無田キッズ」と言われる子供たちが大活躍する結果。そして、表彰台の一番高い場所から、毎週末練習へ連れて行ってくれる祖父母や、長距離の遠征を支えてくれる両親に向けて送られた「いつもありがとう」という言葉に家族だけでなく大人たち全員が涙ぐみ、エリート女子クラスで優勝した富田選手の「勝てたことよりも、ここ吉無田でまたみんなでレースができたことが何より嬉しい!」という言葉には歓声があがった。

今回の開催に至るまで手を尽くしてくださったオーガナイザー高野さんやローカルライダーの皆さん、復興工事などで熊本市内の宿泊施設が満杯、それなら!とご自宅にたくさんのライダーを受け入れてくださったローカルライダーのご家族、そして遠くから集まってくれた100人近いライダーたちに心からお礼を言いたい。

「がんばろう熊本!」「熊本を元気に!」という言葉の基に「復興レース」として開催されたが、それ以上に熊本・九州から私たちが元気をもらった、素晴らしい大会となった。

最終戦は、年明け2017年1/28-29に宮崎県法華岳での開催です。

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