バイシクル特集

2019/2/28 更新

現行スチールパイプカタログ -その他ブランド-【スチールバイク特集】

TRUE TEMPER
【 トゥルーテンパー 】

農業用フォークと鍬のメーカーとして、1902年にアメリカ・オハイオ州で創業。
1923年にスチールシャフトの開発を手がけ、以来すぐれたゴルフシャフトを作り出すトップメーカーとして活躍している。
日本ではあまり認知されていないが、アメリカのハンドメイドビルダーによく使われており、その高い精度と強度には支持者も多い。
完成車メーカーではKHSなどが採用している。高級モデルのOXプラチナムをはじめ、現在は全4種類のパイプをラインナップする。

OX PLATINUM
より軽量なフレームを作り出すために開発された、航空宇宙レベルの空気焼き入れ鋼。非常に高強度かつ軽量、にもかかわらず乗り心地はしなやかというプレミアムパイプ
SPEC
Diameter:25.4〜34.9
Wall in ㎜:0.7/0.4/0.7〜0.8/0.5/0.8

S3
Super light(軽量)、Superstrong(強靭)、Super ride(最高の乗り味)の頭文字から名付けられたS3。最新の超強力鋼で、ティアドロップや楕円形状のパイプも展開
SPEC
Diameter:31.8〜38.1
Wall in ㎜:0.51/0.41/0.51〜0.61/0.41/0.51

VHT
焼き入れ処理の技術を駆使して開発された4130材。クロモリパイプとしてすぐれた性能をもち、肉厚の種類も豊富で、ロードからツーリングまで幅広く対応する
SPEC
Diameter:28.6〜38.1
Wall in ㎜:0.7/0.56/0.7〜0.9/0.6/0.9

V
応力をよく分散してくれるオリジナル設計の4130材。Vは「VERUS」というモデル名からで、VHTはそのHeattreatedバージョンだ。トゥルーテンパーの標準的パイプ
SPEC
Diameter:25.4〜34.9
Wall in ㎜:0.8/0.5/0.8〜0.9/0.6/0.9

DEDACCIAI
【 デダチャイ 】

1993年に創業した比較的若いフレーム素材メーカー、デダチャイ。
もともとすぐれたアルミ素材を手がけるイタリアンブランドとして頭角を現し、いまではカーボンからマグネシウム合金など、最先端のフレーム素材を発信し続けている。
現行で展開するスチールは2シリーズ。同社が得意とする引き抜き加工と熱処理によってすぐれた性能を発揮する。

SERIE ZERO UNO
下位グレードとなる熱処理なしのシームレスパイプ。このセットはロード用と29インチ用の2モデルで、そのほかステーやフォークブレードについては多数展開している
SPEC
Diameter:25.4〜31.7
Wall in ㎜:0.8/0.5/0.8〜0.8/0.6/0.8

SERIE ZERO
シームレスパイプを熱処理したゼロシリーズは、「ゼロ」「XL」「スーパーレジェラ」「アダマンティス」と複数のモデルを展開。扁平断面やディアドロップ形状のパイプもある
SPEC
Diameter:28.6〜35
Wall in ㎜:0.65/0.45/0.65〜0.8/0.6/1.1

KVA
【 ケーブイエー 】

アメリカのKVAは、数々の特許によりハイエンドなステンレスパイプを発信する鋼管メーカー。
アメリカでは比較的人気のブランドであり、シエロやソーマなどに採用されている。
いっぽう、日本での実績はこれから期待されるところで、エクイリブリウムサイクルワークスなどが先んじて使用し、注目を集めている。
ここでは標準的セットについて紹介。

MS3
析出硬化によって強度を上げたセミオーステナイト系ステンレス鋼。7075アルミと比較すると重量は半分、最大抗張力は2倍というすぐれた性能をもつ。靱性や疲労強度も高い
SPEC
Diameter:28.6〜31.8
Wall in ㎜:0.6/0.45/0.6〜0.8/0.6

ECO
【 エコ 】

台湾の鋼管メーカー、エコ。OEM生産もしていて多くのスチールバイクと関係しているが、自社ブランドでもしっかりとモデルを展開している。
ここに紹介するストロングライトはクロモリ鋼を熱処理した軽量パイプで、競輪の世界でも使われている。
日本では大阪のたつみ商会が取り扱っており、プロだけでなく一般販売も行っている。

STRONG-LIGHT
材質はSAE4130(アメリカ工業規格ANSI)。熱処理を施すことで、名前のとおり高強度と軽さを両立した。ヘッドチューブ(熱処理なし)やステー、フォークブレードも展開する
SPEC
Diameter:25.4〜31.8
Wall in ㎜:0.7/0.43/0.7〜0.8/0.5/0.8

完成車メーカーのオリジナルパイプ

鋼管メーカーのパイプではなく、完成車メーカーが独自開発したパイプたち。
フレームを作る立場から考えられた理想の形には、何が見えるだろうか?
代表的なメーカーのオリジナルパイプをいくつか紹介しよう。

ANCHOR
金型にはめたパイプの中に高圧の油を充填し、その内圧で複雑な形状を作る「バルジ成型」によって作られる。ラグとパイプが一体化したようなデザインで、軽量化と応力分散、剛性を最適化した。ジャパニーズクロモリのひとつの到達点

THE MIYATA
「SSTB(スパイラルスプライントリプルバテッド)チューブ」と呼ばれる、内側に5本のらせん状リブを設けたクロモリ鋼。欧州レース参戦時代に開発された。当時の芯金は健在で、カイセイによって再生産されている

COLNAGO
パイプにつぶし加工を施し、断面を星形にしたオリジナルパイプ「ジルコデザイン」。一般的にしなやかとされるクロモリだが、コルナゴのマスターは硬いといわれるほどの高剛性を実現している

MULLER
ジャパニーズブランド、ミュラーのMSPに採用されているクロモリパイプ「SCUSS」。パイプの外面にらせん上のスプラインを設けており、軽量で高剛性、さらにしなやかさを合わせ持っている

PANASONIC
化学成分、機械的処理、熱的処理、強度などを絶妙なバランスでブレンドしたオリジナルパイプ。特性をムダにしないよう、熱影響の少ない650度Cという超低温銀ロウ付けで接合される

クロモリの定義とは?
アメリカ工業規格ANSIで規定されているクロモリ鋼のことで、日本のJISにおけるSCM4130に相当。C=0.28〜0.33%、Cr=0.8〜1.1%、Mn=0.7〜0.9%、Mo=0.25〜1.15%, 密度7.85g/㎥、引っ張り強さ670MPaと定義され、この範囲内ならすべて4130材だ。

TEXT:編集部 PHOTO:大星直輝/村上修子/森近真
(出典:『クロモリ ロードバイクの本』)

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