バイシクル特集

2018/7/27 更新

【連載・ニューモデル】CARRERA・PHIBRA NEXT

2008年に初代モデルがデビューしたカレラ・フィブラ。イタリア語で「繊維」を意味するモデル名に象徴されるように、カーボン素材の自由度を生かして金属フレームでは不可能なマッシブな造形が与えられた。その後2度のフルモデルチェンジを経て進化し、2019年モデルとして登場したのが4代めのフィブラネクストだ。
フレーム上部と下部の2つのアーチによって上質な乗り心地を提供する先代までのDNAを継承しながらも、最新のUCIレギュレーションに適合。エアロダイナミクスを強く意識した形状ながら、前作よりも120gの軽量化を実現した。
その外観からはレースバイクの印象が強いが、じつはグランフォンドまでをターゲットにしたモデル。前述した2つのアーチの上部、つまりトップチューブからシートステーまでをコンフォートアーチとして、不快な衝撃を吸収しライダーの疲労を軽減。ダウンチューブからチェーンステーをパワーアーチとし、ロスのない動力伝達性能と旋回時のスタビリティー向上に貢献する。
またダイレクトマウントブレーキの採用や、それに合わせたフレームとフォークの強度配分、28Cタイヤに対応するクリアランスの確保など、細部まで改良が加えられたフィブラネクスト。新たにカレラブランドのホイールも展開し、トータルパッケージの完成度を高めているのも注目だ。

トップチューブからシートステーまでの湾曲したデザインが振動吸収性を向上し、ライダーの疲労軽減に貢献している。ブレーキは前後ともダイレクトマウントタイプ。エアロ形状のシートポストは、リッチーに特注した専用品を採用する 

スムーズなケーブルルーティングとシャープな外観を両立したデザインのエンド部分。チェーンステーは左右非対称形状を採用した

フレームとフォークは一体化したデザインとすることで、エアロダイナミクスを追求。ケーブル類はすべて内装化される

空力性能向上のためにリアホイールを包み込むようにデザインされたシートチューブ。BB部分はペダリングパワーをムダなく伝達するために十分なボリュームを確保

INFO
カレラ・フィブラ ネクスト
28万円(フレームセット/税抜)
■フレーム:カーボン ■フォーク:カーボン ■コンポーネント:シマノ・アルテグラ ■ハンドル:FSA・エナジーコンパクト ■ステム:FSA・エナジー ■シートポスト:リッチー・専用エアロ ■サドル:サンマルコ・ショートフィット ■ホイール:カレラ・45㎜ ■タイヤ:ハッチンソン・フュージョン5 ■サイズ:XS、S、M、L、XL ■カラー:A9-171グロッシー、A9-172グロッシー、A9-173マット ■試乗車重量:6.8㎏(S)※付属品以外のパーツはテストバイクのスペック

 

IMPRESSION

レスポンスのいい踏み心地と快適性を両立

全体的に、高剛性を想像させるハイボリュームチューブを採用した外観だが、トップチューブに弓なりの形状を採用していることで、快適性も求めていることがうかがい知れるバイクだ。予想どおり快適性は高く、衝撃を、路面との間に一枚ラバーをかませたようなやさしさに変換してライダーに伝達してくる。柔らかすぎるという印象を与えずに快適な乗り心地を演出しているのは、この4代めまでに至る進化の過程で磨きをかけてきたものといえるだろう。
ロードバイクで気持ちよく走る要素は、なんといっても踏み心地につきるといえる。快適性はそれを達成してからの付加価値だ。フィブラネクストは加速が素晴らしく、軽さを感じながら踏んでいったときに、溜めと加速が気持ちいい。平坦路での加速は、とくに吹き上がりがいいエンジンのようにペダリングにリニアに反応して、スルスルと伸びていってくれる感覚だ。クライミングでも一部の剛性の高さや弱さが目立つことなく、バランスよく溜めと加速を繰り返してバイクが前に進んでくれる。
ハンドリングも軽さがあって、まっすぐ過ぎず扱いやすい。コーナリングのバンク角も深くしやすい。まさに快適性を持ち合わせたレーシングバイクといえる。ロードレースからロングライドまで、平坦路からクライミングまで幅広く活躍できるオールラウンダーだ。

 

IMPRESSION RIDER
鈴木雷太
MTBクロスカントリーでは2回の全日本タイトルを獲得しシドニー五輪にも出場した元プロライダー。ロードバイクの経験も豊富で、さまざまな目線からバイクをインプレッションしている。身長168㎝

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問:ポディウム www.podium.co.jp
TEXT: 猪俣健一/鈴木雷太 PHOTO:猪俣健一

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