バイシクル特集

2018/7/29 更新

【連載・ニューモデル】BIXXIS・PATHOS

ビクシズはドリアーノ・デ・ローザによって2015年に立ち上げられたスチール素材のハンドメイドバイクブランドだ。ドリアーノは、デローザの創業者であるウーゴ・デ・ローザを父にもち、40年に及ぶバイク製作のキャリアを積み重ねてきた人物だ。第1弾のクロモリモデル、プリマは北米ハンドメイドバイシクルショーで最優秀賞とカンパニョーロアワードの2冠を獲得。2作めとなるのが今回インプレッションするチタンモデルのパトスだ。
使用するチューブセットは、レイノルズ社に専用にオーダーしたもの。トップチューブとシートチューブは、前後異径のテーパードで中央部を薄く成形したダブルバテッドチューブを採用している。
大径のチェーンステーは、テーパード加工とともに、縦方向につぶしたオーバル形状。シートステーは両端を細くした双円錐形のビコーノ構造を採用する。これらをドリアーノ自身が自社のチタン専用溶接作業室でティグ溶接のハンドメイドにて組み上げる。
目指したのは、クロモリモデル同様のペダリングへの反応と、チタンらしいバネ感の両立だ。硬すぎることのない、しなやかな乗り味を実現している。定番のジオメトリーのほかに、オンラインビデオチャットでイタリア語通訳を交えたドリアーノとのディスカッションによるサイズのフルカスタムも可能となっている。

クラウンが特徴的なペゴレッティ・ファルツカーボンフォークを採用。ドリアーノの盟友ともいえるフレームビルダー、ダリオ・ペゴレッティ氏によるものだ。このフォークに専用設計されたクリスキング製スレッドレスヘッドパーツD11は、ドリアーノがハンドリング性能の向上に効果があると認めたものだ

振動吸収性を生み出すシートステーは、上下を細く成形した双円錐形のビコーノ構造を採用

大径のチェーンステーは、横扁平させることで動力伝達性能と振動吸収性を両立。ドリアーノのサインも入る 

ヘッドチューブは溶接による変形の影響を抑えるために、上端と下端部分を避けてトップチューブとダウンチューブが接続される

INFO
ビクシズ・パトス
60万円(フレームセット/税抜)※サイズカスタマイズはプラス3万2500円
■フレーム:Ti3AL2.5Vチタン ■フォーク:ペゴレッティ・ファルツ(カーボン) ■コンポーネント:カンパニョーロ・ポテンツァ ■ハンドル:デダ・RHM02 ■ステム:デダ・ゼロ2 ■シートポスト:PMPチタニウム ■サドル:セライタリア・SLR ■ホイール:カンパニョーロ・シロッコ ■タイヤ:ミシュラン・プロ4 ■サイズ:トップチューブ長520〜595㎜(全15サイズ、ホリゾンタルとスローピングがそれぞれあり) ■カラー:ロッソ、ネロ、トリコロールイタリアーノ ■試乗車重量:7.9kg(54.5)※付属品以外のパーツはテストバイクのスペック

IMPRESSION

現代の乗り味を追求したチタンバイク

チタンらしい乗り味と、古臭くない現代の走り、そして快適性を持ち合わせているバイクだ。具体的には、ペダリング時の反応のよさがあげられる。脚にこない優しさがありながらも、しなりも感じられ、ウイップによる戻りもあってリズムを作っていきやすい。そのしなりもBBを支点にして、全体がしなっていく感覚だ。チタンバイクらしいバネ感ももちろん感じるのだが、同時にしなやかさもよく感じられる。
カーボンと違い、チタン素材からくる振動伝達こそあるが、嫌なフィーリングではなく、どこかやわらかさを感じられる乗り心地だ。双円錐形のビコーノ構造のシートステー、そしてよく見るとただのラウンドパイプではない、たくみにバテッド加工を施したフレームワークがそういったところに生きている。ヘッドまわりはしっかりとしていて、きついクライミングでのダンシングにおいて上半身の力をしっかりとかけても、ねじれをほぼ感じずに走ることができる。ハンドリングは若干直進性が強めではあるものの、クセが強いという印象がないところに収められている。
全体的なこのバイクの印象は、モダンクラシックな雰囲気をもちつつも、中身は最新だということだ。愛車をいつまでも大切にしたい所有欲と、ライドに対する欲求の両方を満たせるチタンバイクだといえる。

 

IMPRESSION RIDER
鈴木雷太
MTBクロスカントリーでは2回の全日本タイトルを獲得しシドニー五輪にも出場した元プロライダー。ロードバイクの経験も豊富で、さまざまな目線からバイクをインプレッションしている。身長168㎝

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問:ビクシズジャパン http://bixxisjapan.com
TEXT:猪俣健一/鈴木雷太 PHOTO:猪俣健一

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