バイシクル特集

2018/10/6 更新

【連載・ニューモデル】S1NEO・799 VERSUS

S1ネオはヴァンソン・クロシャーとジョアニー・デルマスの2人のフランス人サイクリストによって誕生したブランドだ。ロードバイクからマウンテンバイク、トラック、シクロクロスといった主要な自転車競技を網羅し、機能やデザインにこだわったラインナップを構築している。競輪への出場で来日経験も多い、トラックの1㎞TTと200mFTTの世界記録保持者であるフランソワ・ペルビスも、製品開発に関わっている。
ロードバイクのラインナップは3種類あり、軽量かつ快適性を求めた599とエアロ形状で巡航性能を高めた699。そして今回インプレッションを行った799が両者の軽さと快適性、エアロダイナミクスを兼ね備えるハイエンドモデルとしてラインナップされる。
フロントブレーキケーブル以外をすべて内装する専用ステムを備えた799は、ペルビスが幾度もテストを重ねたモデルであり、3度の改良を施してリリースされた。マッシブな外観のフレームながら、UCI規定の6・8㎏を容易に達成できる軽さが特徴だ。
ブランドのコンセプトとして完全なパーソナライズを目指しているだけに、ステム長とハンドル幅を選択可能として、パーツアッセンブルも多様なバリエーションが用意される。またカラーリングは豊富なストックカラーのほかに、インターネット上でカスタマイズできるマイS1ネオも利用できる。

シートチューブがリアホイールを包み込むエアロ形状のフレームで、シートポストもクランプを内蔵した専用品を用いる。シートステーを細身とすることで路面からの衝撃を緩和して快適性を高めている

フレームと一体化したデザインのフォークはストレート形状で、レースでの機敏な動きにも対応する。フロントブレーキはダイレクトマウントとして空力性能に配慮した

専用のエアロステムによりフロントブレーキ以外のケーブルをすべて内装した

プレスフィットの横幅ギリギリまで各チューブの幅を拡大することでロスのない動力伝達を可能とした。リアブレーキはBB後方にダイレクトマウントタイプを配置する 

INFO
S1ネオ・799 バーサス
79万6000円(完成車/税抜)
■フレーム:UD TH800HMカーボン ■フォーク:カーボン ■コンポーネント:シマノ・アルテグラDi2 ■ハンドル:コントロールテック・C799エアロカーボン ■ステム:P799 ■シートポスト:T799カーボン ■サドル:サンマルコ・アスピデ ■ホイール:アステリオン・H40Dカスタム ■タイヤ:コンチネンタル・スプリンター ■サイズ:XS、S、M、L、XL ■試乗車重量:7.1kg(XS)
※付属品以外のパーツはテストバイクのスペック

 

IMPRESSION

直進性と振動吸収性が高く上質な走りが楽しめる

先進のエアロシルエットをもつフランス発のバイク。その乗り味は外観からの期待を裏切らず、ひと踏みしたとたんに流れるようなエアロな走行感に包まれるものだ。同時に直進性の高さに驚かされ、安定感のある走りが可能だ。各チューブのボリュームが大きく、硬さをイメージしてしまうが、路面からの突き上げを丸いトーンへとしっかりと変換してくれる。この部分ではいい意味で裏切られた。これによりストレスなく進む巡航性能を確保している。位置づけとしてレーサーではあるが、高級なクルージングバイクとしても活用できる乗り味だ。
ペダリングについては、踏みはじめがマイルドな印象だ。軽量クライミングバイクのような、カツカツと踏み込む急激な加速こそ得意ではないが、ハイトルクでペダルを踏んで、バイクの伸びを生かした加速をしていくことで、性能を引き出していける。エアロダイナミクスを追求したフレームにマッチしたペダリング特性だといえるだろう。
安定感のある走りはコーナリングにも表れている。積極的にコントロールするというより、路面にタイヤが吸い付くような印象で、安心して滑らかに曲がっていける。トータルでロスの少ない走りができるのが醍醐味だ。
向いているのは高トルク型でシッティング派のレーサー。相性よく乗りこなせるバイクだといえる。

 
IMPRESSION RIDER
管洋介
競技歴22年のベテランライダーで自身のチーム、アヴェントゥーラサイクリングの代表も務める。長年の経験を生かした的確なインプレッションが持ち味。身長168㎝

6

問:S1ネオジャパン https://s1neo-japan.com
TEXT:猪俣健一/管洋介 PHOTO:猪俣健一

page top