バイシクル特集

2019/7/1 更新

BOMA・SAI【ニューモデルインプレッション】

価格以上のスペックを誇るミドルレンジオールラウンダー

人馬一体の乗り心地を具現化するカーボン専業ブランドのボーマ。カーボン繊維商社としての経験を生かし、高品質かつ、コストパフォーマンスに優れたバイクを生み出している日本のブランドだ。
見る方向によって色が変化する特殊塗装が印象的なニューモデル。それがサイだ。剛性と振動吸収性、さらに軽さと、オールラウンドロードに求められるすべての要素を盛り込んだT800カーボンを用いたモデル。高級感のあるスタイリングながら、フレームセットで18万円というリーズナブルな価格設定も見逃せない。
外観のみに着目してしまいがちなサイだが、こだわったのはその製法。通常のカーボンフレームが整形時にバルーンで内圧をかけるのに対して、さらに高圧で成型できる発泡ポリスチレンを使用するEPS工法を採用した。
よりコストのかかる製法をミドルレンジに採用できたのは、海外の生産拠点と強く連携しているからこそだ。これによりカーボン繊維中の余分なレジンを除去。フレームの内側がスムーズに仕上げられたことで、高強度でありながらフレーム重量930gの軽さを実現。
ペダル込みのアルテグラ仕様試乗車で7㎏ほど。より軽量化を意識した仕様で組めば、UCI規則の6.8㎏ジャストで仕上げることも十分可能だ。サイは価格以上の満足感を提供できるバイクだ。

BBは汎用性とメンテナンス性に優れたJISタイプ。集合部を角断面に成型することで、動力伝達性能も確保される 

パワー伝達を最適化したチェーンステー形状。エンド部までカーボンとしたことも軽量化に貢献した 

見る角度で色が変わるカラーリングを採用する。テーパードヘッドにより、ハンドリング性能も優れる。ケーブルは内装でDI2にも対応する 

縦方向に細身のシートステーが、路面からの振動を吸収

 

INFO
ボーマ・サイ
18万円(フレームセット/税抜)
*のカラー、サイズは受注生産で+1万円(税抜)
■フレーム:T800カーボン ■フォーク:カーボン ■コンポーネント:シマノ・アルテグラ ■ハンドル:ボーマ・HB-05 ■ステム:ボーマ・ST-02 ■シートポスト:ボーマ・SP-07B ■サドル:プロロゴ・カッパエボ ■ホイール:ボーマ・TH-W35TL ■タイヤ:パナレーサー・レースAエボ4TLC ■サイズ:XS(460)*、S(465)、SM(485)*、M(505)、L(525)* ■カラー:Pゴールド、RMグレー、Pグリーン*、Cレッド*、Cブルー* ■試乗車重量:6.8㎏(SM /ペダルレス)※付属品以外のパーツはテストバイクのスペックレス)

 

IMPRESSION

剛性を巧みに操った軽快なペダリングフィール

サイの特徴といえる美しい光彩を放つラメカラーのフレームは、ロードバイクに華をもたせてくれる。乗り出して最初に惹かれるのがボーマらしい独特な感触の踏み心地だ。ペダル位置1時あたりからストンと抜けるように脚が落ちてトルクが流れる。そして、5時あたりになると再びフワッと抜けが軽くなり、俄然リズミカルなペダリングが連続していく。バイク自体がもっている弾性や剛性バランスがペダリングを作り上げてくれる印象で、少し力を抜くと非常にきれいなペダリングフィールを得ることができる。またトルクフルに走る場面では踏み込むよりも下死点付近をカカトでさらうように意識してペダリングのリズムをとると、ボーマの特性と絶妙に噛み合い、非常にラクにスピードを乗せることが可能。
また軽量なスローピングフレーム、軽いステアリングに安定感のあるチェーンステー長の組み合わせによって、キレのある走りとともに直進安定性も持ち合わせている。とくに上りのダンシングでは、シャープにリズムが刻めて極めて軽快な走りが楽しめる。
細身のチェーンステーによる振動吸収性も十分に発揮されていると感じられた。ヘッド長などの寸法もレースを目指す日本人にマッチしたサイズであることもうれしいポイントだ。クリテリウムや勾配変化のあるヒルクライムなどで、アクションが楽しめる一台だといえる。

 

IMPRESSION RIDER
管洋介
競技歴22年のベテランライダーで自身のチーム、アヴェントゥーラサイクリングの代表も務める。長年の経験を生かした的確なインプレッションが持ち味。身長168㎝

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問:ASKトレーディング www.boma.jp
TEXT:猪俣健一/管洋介 PHOTO:猪俣健一
(出展:『BiCYCLE CLUB 2019年8月号』ニューモデルインプレッション)

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